知っていたのに間違えた。元背景デザイナーがブロック塀の描き方で失敗した話

上達法

こんにちは!えすあこです。

先日、Instagramで
「ブロック塀の簡単な描き方」を紹介しました。


線を描いて、コピーして、変形させて……。
ひとつひとつブロックを描かなくても、
効率よく壁を作れる方法です。



ところが、この動画に
こんなコメントがつきました。

「めっちゃ細長いのできたやん」



最初は何のことかわからなかったのですが、
改めて見直してみると……

確かにブロックがめちゃくちゃ
横長になっている!!

実は私、動画の中で
「ブロックの縦横比はだいたい1:2」
と説明していました。

それなのに、完成したブロックは
縦横比1:4を超えるほど横長に。

しかも、コメントで指摘されるまで
気づきませんでした。

元ゲーム会社の背景デザイナーとして、
これはなかなかショックな出来事でした。

でも、せっかくなので今回の失敗を
徹底的に検証してみることにしました。

今回は、

  • なぜブロックが横長になってしまったのか
  • なぜ知っているのに間違えてしまったのか?
  • 自由変形で失敗しないための描き方
  • 完成後に確認したいチェックポイント

について、実例を交えながら紹介します!

なぜブロック塀が横長になってしまったのか?

まずは、今回の描き方を振り返ってみます。

最初に横線を1本描き、コピーして下に並べます。

そのままだと同じ線の繰り返しに見えるので、
消しゴムで一部を削ったり、
180度回転させたりして変化をつけます。

これを繰り返して横方向の目地を作り、
さらに縦方向の目地を追加します。

横線の束を90度回転させて、縦の線を作る
ここでサイズを指定したがために!!

最後に、描きたい壁の角度に合わせて自由変形!

これでブロック塀の完成です。

この方法自体は、
線を効率よく増やして
壁の模様を作るテクニックとして使えます。

ただし、今回の問題は最後の
「自由変形」にありました。

壁全体を描きたい場所に
収めることばかり考えていた結果、

ブロック1個1個が横方向に
引き伸ばされてしまったんです。

しかも、完成後も
その違和感に気づきませんでした。

そして、そのまま完成としてしまいました。

でも、ここで不思議なのが、

私はブロックの縦横比を知っていたし、
動画内でも説明していたということです。

知らなかったから間違えたわけではありません。

では、なぜ間違えたのでしょうか?

「なんとなく確認する」では見落とす

原因を振り返ってみると、大きく3つありました。

① 変形している最中に、
比率を意識していなかった

作業中は、
壁の角度や画面への収まりばかり考えていました。

その結果、ブロック1個1個の形が
どう変化しているかまで
注意が向いていなかったんです。

② 完成後に、
比率を確認していなかった

描き終わったあと、
壁としてそれっぽく見えるかは確認していました。

でも、ブロックの形が正しいかまでは
チェックしていませんでした。

③ そもそもチェック項目に
「比率」が入っていなかった

これが一番大きな発見でした。

私は完成した絵を見て、
なんとなく違和感がないか確認していたんです。

でも、何を確認するのかが
具体的になっていませんでした。

「なんか変じゃないかな?」

そう思って眺めるだけでは、
自分が意識していない問題には
なかなか気づけません。

例えば、人物の絵を描くときも、

「人体がおかしくないかな?」

と漠然と見るより、

「腕の長さは合っているか?」
「関節の向きに無理はないか?」

と具体的に確認したほうが、
問題を発見しやすくなります。

背景も同じです。
今回なら、

「変形したあと、ブロックの比率は自然か?」

というチェック項目が必要だったんです。

形が合っていなくても、気づかないことがある

もうひとつ、今回の失敗で
気づいたことがあります。

それは、「なんとなくそれっぽい」と
「構造として正しい」は違うということです。

今回のブロック塀も、
ぱっと見たときには
壁として成立しているように感じていました。

でも、実物の形やパースと照らし合わせると、
不自然な部分がありました。

イラストでは、必ずしも
実物どおりに描く必要はありません。

デフォルメしたり、見栄えを優先して
形を調整したりすることもあります。

「ウルトラマン 嘘パース」で検索してみてください!

ただし、今回は動画内で「縦横比1:2」という
具体的な基準を説明していました。

つまり、その基準に沿った作例を
見せる必要があったんです。

だからこそ、その比率をもとに、
自然な見え方になっているか
確認する必要がありました。

意図して形を変えるのと、
気づかないうちに形が崩れてしまうのは別の話。

では、斜めから見た形が自然かどうか、
どうやって判断すればいいのでしょうか?

斜めから見た形には、変化のルールがある

物体は、見る角度によって形が変わって見えます。

例えば、正面から見た長方形の板を、
少しずつ斜めにしていくとどうなるでしょうか?

Blenderで板を用意しました

正面から見たときと、斜めから見たときでは、
見かけの横幅が変わります。

こうした変化を考えるうえで役立つのが、
「短縮」という考え方です。

難しく聞こえるかもしれませんが、
実は自分の手で簡単に体験できます!

手のひらを使って、形の変化を確認してみよう

まず、顔の前に手のひらを出してみてください。

手のひらを自分の顔に向けて、
正面から見た横幅を確認します。

次に、その手を縦軸を中心に
ゆっくり回転させてみましょう。

どうでしょうか?

親指はむしして!

斜めになるほど、手のひらの横幅が狭くなっていきませんか?

正面から見たときには広かった手のひらが、
横向きに近づくほど細く見えます。

これが、面を斜めから見たときに起こる
「短縮」の基本です。

ブロック塀の表面も、
同じように考えることができます。

もちろん、実際のパースでは
見る位置や距離によっても見え方が変わります。

特に近くから見た場合は、
手前と奥で大きさが大きく変化することもあります。

カメラのレンズによってもまた変わったり…

そんなときは、ひとつの比率だけで判断せず、
壁の上下の辺や奥行き方向の線も一緒に確認しましょう。

大切なのは、ひとつの形だけでなく、
周囲のパースとも矛盾していないかを見ることです。

近くのものも、遠くのものも、全部がヒントになりうる!

背景の形がどう変化するのかわからなくなったら、
手や身近なものを実際に動かしてみるのもおすすめですよ!

ブロック塀を描くときの改善方法

では、今回のブロック塀は
どうすればよかったのでしょうか?

改善方法は、次の3つです。

① 先に壁の範囲を決める

まず、画面のどこからどこまで
壁を描くのか決めます。

他の背景と合わせる場合には、
高さや、奥行き方向の線も確認しておきましょう。

② 壁の幅に合わせてブロックの列数を調整する

最初に作った模様を無理に引き伸ばすのではなく、
必要なブロックの数を調整します。

例えば、
横幅が足りなければ、
ブロックを横に伸ばすのではなく、
列数を増やす方法です。

③ 変形後に、ブロックの形を確認する

最後に、壁全体だけでなく、
ブロック1個1個の形も確認します。

最初に決めた比率や、
壁全体のパースと矛盾していないか
チェックしましょう。

これだけでも、
今回のような失敗は防ぎやすくなります。

身近な風景で確かめてみよう!

今回紹介した形の変化は、
身近な風景でも確認できます。

例えば、建物の壁や窓、道路のタイルなど。

正面から見たときと、斜めから見たときでは、
形がどう変わって見えるでしょうか?

「奥行きに向かう線はどこへ集まる?」

「斜めになった面の幅はどう変わる?」

そんなふうに観察すると、
今まで何気なく見ていた風景にも
発見があるかもしれません。

🎁 背景の違和感を見つけるチェックシート

今回の失敗をもとに、
背景を描くときに確認したいポイントを
チェックシートにまとめました!


実は私、会社員時代にも
ミスが起きるたびに
チェックシートを作っていました。

自分自身、何度も助けられましたし、
新人さんや仕事を引き継いだ方から
「助かりました!」と
言っていただけることもありました。


やっぱり、見直し・確認・確かめ算って
大事なんだなあと、
大人になってからしみじみ感じています。

このチェックシートは
形・比率・パースなど、
描いた背景を見直すときに使える内容です。

「なんか変だけど、
どこを直せばいいかわからない!」

そんなときに、ぜひ活用してみてくださいね。

LINEで「#背景チェックシート」とお送りください!

▼チェックシートはこちらから

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